毎月お参りしていた神社で、ある日ふと気づきました。
——神様がいらっしゃらない。
お社全体も、どこか小さく縮んで見えます。
「何があったんですか?」
「この地に災害の兆しでも?」
「参拝者が失礼を?」
立て続けに質問を投げかける私。
やっとのことで聞き出した答えは、
「関西のある山に戻られている」ということ。
「ご挨拶に伺ったら、戻ってきてくださいますか?」
「いや、もう戻らない」
「困ります、ホームページを始めるんです」
「知っている。目的も知っている。助ける。
私を含め八柱の神々が力を貸すことも知っている。
心配するな。挨拶に来い」
そんなこと言われても……関西の山?
急いで帰宅し、パソコンで「神様」「山」と入力して検索開始。
次々に山の名前が出てくる中、一つだけ文字が浮かび上がるように目に飛び込んできました。
——ここだ。
近くにはロープウェイもあり、簡単に行けそう!
仲良しの宮司たちに声をかけ、お酒とお饅頭をリュックに詰め、いざ出発。
ロープウェイなんて30年ぶりで、ワクワクしながら終点へ降り立つと…そこは本物の山。
周囲は登山装備の人ばかり。
私ひとり、まるでピクニック気分の軽装。
仲間に呆れられつつ、
「どこにいらっしゃるの?」と聞かれ、
「知らない」と答える私。
ロープウェイを降りたらすぐ目の前にあると思い込んでいました。
仕方なく、半ばやけくそで
「○○大神様、方向を教えてください!」
とお願いし、拾った枝を手に360°ぐるりと回してみる…
まるでテレビで見たことのある光景。
すると、本当に枝が振動!
感激しながら示された方向の悪路を進み、ついに出会うことができました。
お顔も拝見でき、「丸坊主ですね」と声に出すと、仲間が「剃ってるの? それとも毛がないの?」と質問。
すぐに尋ねると、『毛は無い』とのお答え。

上の磐座が神様がいらしゃる所でした
帰り道、険しい道に辟易した仲間のひとりが叫びました。
「もうこの悪路は嫌だ! 緊急救助隊を呼んでくれ!」
つづく…
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あなただけの護符を神前にて、一つ一つ丁寧に心を込めてお作りしています。